「日本ラグビーの歴史を変えた桜の戦士たち」を読んで思う事

昨日はラグビー関連の本をいろいろ買ってきました。ラグビーマガジンが発売されたのでそれを買い(つい先日のトップリーグファイナルの内容もさっそく載っていました!)そしてビッグコミックオリジナルにはサンゴリアスの真壁選手が!

カラーページではないので、せっかくの真壁さんの笑顔があまり鮮明ではないのが残念なのですが、南アフリカ戦での思いや次のワールドカップへの気持ちなど、熱い気持ちがしっかりと書かれています。大きい体とユーモアのある人柄、そして試合に入った時のすさまじい気合いと闘志。3ページのみですが彼の存在感が伝わってきます。

そしてメインはこちら「日本ラグビーの歴史を変えた桜の戦士たち」ワールドカップ日本代表全31名の気持ちが書かれていてとても濃い内容となっています。ハードワーク、不安やぶつかり合い、ケガや孤独など、代表に選ばれ大舞台に立った選手達のそれぞれの苦悩が書かれていました。華やかな舞台での活躍、ドラマティックな勝利に目が行きがちですが、そこに至るまでに本当に大変だったのがわかります。

田中史朗選手はラグビーを文化にするために様々なメディアに出演し、笑いも交えたりとそのキャラクターがとても人気ですが(相撲の舞の海関の時もそうでしたけど、小柄な人が大きな相手に向かっていく様って皆好きですよね)とにかくラグビーが第一で、世界と同じ事をしていているだけでは勝てないからハードワークが大切。そのためには自分も家族も犠牲にするというスタンスで、ヘッドコーチにも言い返すなど勝利を掴もうという考えゆえの激しさに、他の選手もなかなか話しかけなかった事なども書かれています。先日発売された著書のタイトル「負けるぐらいなら、嫌われる」という当たりの強いタイトルからも伝わってきます。


またスポーツ番組では初詣をしている時でもファンサービスをかかさない姿が映っていました。短い家族との時間であるのにも関わらず、お子さんを奥様にお願いして待ってもらい、その間握手や写真撮影に応じていました。ラグビーのために全てを捧げるその姿はなかなか他の人には真似できないでしょう。本のサブタイトルに「覚悟」という二文字を入れるのも頷けます。

桜の戦士たちの中で印象的だったのは、若い福岡堅樹選手や藤田慶和選手が揃って廣瀬俊朗選手への感謝や敬愛の気持ちを語っている所でした。廣瀬さんの著書「なんのために勝つのか」そして桜の戦士たちにも書かれていますが、彼自身もこのワールドカップでは心身ともに苦しい状況下であったのにも関わらず、若手が叱られれば助言をしたり、選手やコーチなど様々な人の意見を聴いてチームの調整をしたりと気配りを欠かしませんでした。とてもバランス感覚のあるリーダーに相応しい人だと実感しました。


そして31名の最後にその廣瀬選手の思いが綴られ、メンバー全員への言葉で締め括られています。桜を胸に抱くメンバー、仲間、ライバル、戦友、同志...一言では形容しがたい繋がりによってお互いを高め合っていったのがわかって、大変読み応えのある一冊です。


この本が発売された日に、廣瀬さんの去就の話がスポーツ紙の記事でネットに載りましたが、彼自身はまだこの事については語っていません。Facebookでは...


「その大きな流れの中で僕自身が果たしていくべき役割は何なのか、ここを突き詰めた時に現役選手以外の選択肢もあるということは否定しません。正直まだ悩んでいますが、決断した折には必ず皆さんに直接報告します。よろしくお願いします^_^ まずは、日本選手権の決勝が素晴らしい試合になることを楽しみにしましょう!」


このように書かれています。心配をかけないように、そして自分の話が出たけれどまだ日本選手権と言う大きな試合があるのでそちらをお願いしますと言うような、あくまで日本のラグビーを多くの人に知って欲しいと言う気遣いが溢れています。

本人の口からこれからの事について語られるまではじっくり待ち、そしてその気持ちを大切にしたいと思います。どの道を選んだとしても彼は私達をこれからも魅了し続け、そしてこれからの日本のラグビーの発展にかかせない存在であるのは間違いありません。


先日のトップリーグのファイナルはパナソニック対東芝の壮絶な試合が終わりましたが、今日はパナソニックと東芝製のノートパソコンでバッテリー発火の恐れがあるという話が出ていました。今回のこのリコールと比べるのは何ですが、東芝は不適切な会計の問題などがあって企業への印象も大変悪化しています。そんな中で東芝の企業CMにラグビー部のメンバーが起用されています。

廣瀬選手が東芝キャプテンであった時にチームの不祥事があり、彼自身とても辛い思いをしているので、ラグビーができる環境の大切さを痛感していると思います。その経験から選手会を作るために現在動いています。選手と協会、企業やファンなどの意見を聴いていき、ラグビーの環境をより良くしようとする、福岡藤田両選手が言っていた調整する彼の力がまさに必要な状態なのではないでしょうか。


2009年のマイクロソフトカップ決勝ではワイルドナイツ(当時三洋電機)と戦い、東芝は優勝を手にしました。不祥事から優勝までの気持ち、ファンの温かさやラグビーに携わって良かったいう思いは著書「なんのために勝つのか」にも書かれていますが、様々な事を乗り越えたからこそ、ファンも選手も大事にしたいと思うのでしょう。


先日のパナソニック対東芝のファイナル。試合後に東芝の選手が輪になり話しているシーンがありましたが、その中での冨岡監督の眼差し、そして健闘した選手に話しかける姿がとても素敵でした。現在総監督の薫田真広さんから繋がる東芝イズムを強く感じる方です。


そして薫田さんと言えば、廣瀬選手は薫田さんから誘われ東芝入りした経緯があります。彼曰く薫田さんの練習は「親に見せられない」ほど厳しいものを課すそうで、そうした東芝の系譜を受け継ぎつつ強みであるバランス感覚が重なった廣瀬選手が、今みんなのために動いているのは必然という感じもします。


現在、本が発売されている田中史朗選手と廣瀬俊朗選手。どちらも朗らかの字を抱いた人ですが、厳しくそして強い存在。著書からはそれぞれの経験から日本ラグビーを良くしていこうという熱い思いが感じられます。こうした様々な角度からのアプローチがあった方が、よりラグビー界は活性化されると思います。


シーズンが終わってもまだまだ皆さん多忙な日々が続くようですが、皆さんはいつもファン、代表に選ばれなかったりスタメンに入らなかったメンバーやスタッフ、そして家族への感謝の気持ちを忘れません。過酷なトレーニングの中に身を置いているからこそ、自分がラグビーを続けられるのは多くの人の支えがあってこそという思いがあるのです。


私達は日々暮らしているのを当たり前に思い、見えない多くの人たちのおかげである事を忘れがち、そして自分がした事については感謝の声を求めがちです。日本代表31名が書いた本「日本ラグビーの歴史を変えた桜の戦士たち」を読むと、自分ひとりだけでは前へ進めない、誰かににボールを渡し、自分が渡されてこそ進めるのだと再認識できます。

今回のワールドカップは、フィジカルをいじめ抜いたトレーニングだけでなくメンタルコーチングで心を整えたのもポイントだったので、そうした経験をした選手からは本当に学ぶ事が多いです。皆さんの考えなどを本を読んでさらに知り、私も感謝の気持ちを忘れずに日々をより良く生きたいと思います。

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